9つの命を持つ猫のラブコメ『八潮と三雲 1 』

書籍情報

・タイトル:『八潮と三雲 1』
・著者:草川為
・出版社名:白泉社
・発行年:2010/06/10
・本のサイズ:B6判(横112×縦174×厚さ14mm)
・分類:コミック
・総ページ数:191ページ
・定価:400円+税

概要

人間社会の隣にある特殊な猫社会。
そこには九つの命を持って生まれてきた九生の猫が暮らしています。

猫社会にいるときには人型になれますが、
人間社会に出るときには猫の姿となります。

九生の猫はその命数に応じた名前が天から与えられており、
命を失うごとに名前の更新をしなければなりません。

しかし様々な事情でそれを怠る猫がおり、
そんな猫に更新の催促をしに行くのが取り立て屋と呼ばれる猫たちです。

主人公の三雲は真っ白な美猫さん。
人型だと淡い緑がかった髪の可愛らしいお嬢さんです。
彼女は人間社会にいるときに取り立て屋の八潮さんに助けられ、
その恩返しをするために彼の元へやって来ます。
しかしこの八潮さん、実はとても偏屈で・・・。

積極的で前向きな三雲と超偏屈で塩対応の八潮さんの
でこぼこコンビに胸キュン必至のラブコメ

全7巻で完結済みです。

第1巻には八潮と三雲の第1話から第3話までと
40pの読み切り作品「彼と彼女の不冬眠」が収録されています。

読み切り作品「彼と彼女の不冬眠」は、
冬になるとクマやリスのように冬眠してしまうという人たちのお話。
主人公の女の子キルスティと学友の男の子トゥーリの
ロミオとジュリエット的な関係性に胸がキュンとします。

読み切り作品の後には4コマのおまけマンガが載っています。

オススメポイント

偏屈の裏にある優しさに胸にキュン

これ以降、少々ネタバレを含むので
ネタバレ絶対嫌!という方は飛ばしてください!!

八潮さんは基本、三雲に対して塩対応です。
恩返しがしたいとやって来た三雲に対しても
「いらん」「迷惑だ」と突っぱねます。

しかし三雲が怪我をすれば
薬を塗って手当てをしてあげるし、
眉間に皺を寄せながら「無鉄砲なら改めろ」
と、優しいことを言ってくれるのです。

さらに、
回を追うごとに八潮さんの優しさが垣間見える行動が増えていきます。

三雲に砂がかかりそうだったら抱き寄せてかばってあげるし、
三雲が男に絡まれていたら「三雲に手を出すな」と格好良く助けてくれたりするのです。

今までの塩対応はどこへ!?というような優しさ。
いつもは素っ気ないのに、そんなことをされたら
トキメいてしまうのも無理はないかと思います。

だんだん嫉妬心なの!?と思うような行動も増えてきて、
これは、もしやもしや
八潮さんも三雲のことを・・・?
なんて思ってしまうのですが、

三雲が好きだと告白しても
嫌そうななんとも言えない顔で返してきたり、
三雲が距離を縮めようご飯に誘っても、
あっさりバッサリ切り捨てられてしまいます。

あれ?八潮さん、ちょっと三雲の方に心が寄っていってたのではないのですかー?!

優しさの後の塩対応。

八潮さんの見えそうで見えない本心に
振り回されること請け合いです。

まとめ

猫マンガ、と言えるほど猫は出てきませんが、
それでも八潮と三雲の凸凹コンビが面白く、
ラブコメ作品としてオススメです。

大人女子も楽しめるのでぜひ読んでみてください!!

二人の近づいているようでなかなか近づいていない距離感にも注目。
八潮が積極的な三雲と一緒にいることで
どう変化していくのか、
また二人の関係性はどう変わっていくのか気になります。

第1巻で、八潮の過去が八潮の上司の一色から明かされていますが、
きっとそれ以上の過去がありそうな気がします。

三雲の過去はあまり出てきていないのですが、
若いのに命が残り3つしかない、というところから見ても
過去に色々あったのではないかなぁと思ってしまいます。

今後の巻で二人の過去が明かされるのでしょうか。
その辺りも注目しつつ、さっそく第2巻を手に取ろうかと思います。