絵本っぽい画集『はなねこ』

2019年6月22日

書籍情報

・タイトル:『はなねこ』
・著者:モーリーあざみ野
・出版社名:日本放送出版協会
・発行年:2008/04/20
・本のサイズ:大型本(横305×縦214×厚み10mm)
・分類:画集
・総ページ数:32ページ
・定価:2500円+税

概要

著者のモーリーあざみ野さんが、庭の花々に囲まれてお昼寝をする猫を目にしたことがきっかけで生まれた「はなねこ」。
はなねことは、花が咲く植物に宿った精霊のような猫のことを言います。
はなねこの体には、自分が宿った植物の花が咲きます。
そんなはなねこを12種類、イラストと共にはなねこの特徴や、はなねこにまつわるエッセイ風の文章を添えた画集。

オススメポイント!

オススメポイント1

絵本っぽく読める画集

実は私、この本を絵本だと思って手に取ったんです。
表紙の絵も可愛いですし、絵本っぽいサイズ感でしたし。
表紙とタイトルから、真っ白な子猫たちが木登りして遊んだりする絵本かな、と思っていたんです。

しかし、前書きに画集であることが記載されていてびっくり。
絵本モードだった私は一瞬気落ちしました。
が、1ページ目を読んで、すぐにハマりました。

絵本じゃないけど読み物として面白いんです!!

画集ってそんなに面白いもの?
ただイラストが載ってて、そのイラストの説明がちょこちょこっと描かれてるだけでしょ?
と思われる方もいるかと思います。

注目は各見開きの右ページ。
左のページにははなねこのイラストが可愛らしく描かれていますが、右ページはちょっとしたイラストと共に解説が添えられています。

この解説が面白いんです!!
はなねこの種類と特徴、著者とはなねこのちょっとした出来事という大きく2項目あるんですが、
どちらもはなねこが実在しているかのような(ありそう・・・!)と思わせる文章。

絵本ではありませんが、エッセイ風の説明文が絵本っぽくもあり、お子さんと一緒に読むのも面白い画集かもしれません。
ただ、漢字にふりがながついていないので未就学児のお子さんには1人で読むのは難しいかと思います。
読み聞かせをしてあげて、それぞれのはなねこについておしゃべりするのも楽しそうです。

オススメポイント2

いろんな花を知ることができる

はなねこは花に宿る精のような存在なので、花と一緒に描かれています。
ひらがなで書かれた花名+ねこ、がはなねこの種名になります。
桜のはなねこが「さくらねこ」といった具合に、様々なはなねこが登場します。
ちょっとした紹介ページも含めると、全20種類。
そんなに種類は多くありませんし、たんぽぽやチューリップといった身近なものがほとんどですが、
中にはこんな名前だったの?というようなものもありました。
ムラサキエノコロって名前、聞いたことありますか?
私はありませんでした。
イラストを見ると、空き地に生えているのを見たことがあるような気がしましたが、本当にこの植物だったか、記憶はおぼろげです。
読んだ後、画集に出ていた花を外に探しに行くのも楽しいかもしれません。

まとめ

絵本が好きな方におすすめできる画集です。

画集だからなぁ、と手に取らないのはもったいない!
表紙の絵の雰囲気が気になったら、一度は手に取ってぱらぱらっと読んでみてほしいです!

はなねこの設定と発想にワクワクしてくると思います。

季節を象徴する花々を取り上げてくれているので、お散歩前に読むのもオススメです。
歩きながらはなねこの宿る花探し、楽しいと思います。

今の時期だとそろそろ紫陽花が見頃を迎える頃ですね。
あじさいねこ、というはなねこも登場するので、ぜひこの画集を読んでから紫陽花見物へ足を運んでみてください。
普段とは違った見方での花の観賞ができるのではないでしょうか。

余談ですが、
NHKみんなのうたで放送されていた「花さかニャンコ」という歌をご存じでしょうか?
2019年4月から5月まで放送されていて、アーティストの谷山浩子さんが歌を担当なさっています。

この画集を読後、ぜひ聞いてみてください。
私はこの画集を読んでいる最中、ずっと頭の中で「花さかニャンコ」の曲が流れていました。
この画集の世界観に合っていると思うんです・・・!!

発売されたのはこちらの画集の方が先ですが、
はなねこ達を見ていて、思わず(花さかにゃんこだ・・・!)と思ってしまいました。

『はなねこ』と一緒に「花さかニャンコ」もお聞きいただければと思います。
栗コーダーカルテットが奏でるちょっと気が抜けるような笛の音と、妙に癖になるメロディーは癒されること間違いありません。

配信もしているようなので気になった方は探してみてくださいね。