絵が美しい『ねこがすき、くまがすき』
書籍情報
・タイトル:『ねこがすき、くまがすき』
・著者:文、キャロル・グリーン
・絵、アン・モーティマー
・訳、まえざわあきえ
・出版社名:徳間書店
・発行年:1998/11/30
・本のサイズ:大型本(横263×縦210×厚さ10mm)
・分類:絵本
・総ページ数:28ページ
・定価:1400円+税
作品概要
女の子がお誕生日にくまのぬいぐるみをもらいます。
女の子がそのくまのぬいぐるみを可愛がるので、
ねこはくまのことが嫌いです。
女の子がまた自分と遊んでくれるように、
ねこはくまを追い出そうと色々とするのですが・・・。
最後はほっこりする、ねこの目線で進む物語。
オススメポイント!
オススメポイント1
眺めているだけでも幸せになれる絵。
絵を描かれているのはアン・モーティマーさん。
この方の描かれる猫がすごく美しく、
そして可愛らしいのです!
表紙からも伝わりますでしょうか?
毛のふわふわ加減。
こちらは写真なので分かりにくいかもしれませんが、
気になる方は実物を手に取ってお確かめください。
毛の一本一本が丁寧に描かれ、
ふわっふわの毛並みを堪能できます。
見開きどちらかのページには
必ず猫の絵が描かれています。
その表情も素晴らしい・・・!
リアルな猫の絵なのに感情が伝わってくるんです!
怒っていたり、しめしめと笑っていたり、拗ねていたり・・・。
次のページではどんな表情を見せてくれるんだろう?
と、ページをめくる手が止まりません!!
オススメポイント2
ツンデレ猫に胸キュンなストーリー。
一番最初にタイトルと表紙を見たとき、
猫もくまも、お互いのことが好きなほっこり系のお話なのかなー、
と思っていました。
しかし!
1ページ目をめくってびっくり。
猫、くまのことを嫌ってる・・・!!
作品概要でも軽く触れておりますが、
猫はくまのことが嫌いなんです。
理由は簡単。
女の子がくまを可愛がるから。
この小さな嫉妬心を最初はかわいいなと思っていたのですが、
ページをめくるにつれて、
猫が可哀想、不憫に思えてくる場面もありました。
私だったら絶対にぬいぐるみよりも猫を猫かわいがりします。
え、この話って猫が可哀想な話なの!?と思ったそこのあなた、
ご安心を。
ちゃんとハッピーエンドです!
細かくお話しするとネタバレになってしまうので割愛しますが、
最後はほっこりあったかな気持ちになって絵本を閉じることができます。
このお話の中で一番印象に残っているのが、猫の最後の台詞。
「あーあ。へーんな へんなやつ」
今までの猫の行動と、この台詞にこの行為、そして見開きの絵が合わさって、
私は不覚にもキュンとしてしまいました・・・!
お読みでない方はぜひ読んで確かめてみてください。
この猫、ツンデレだ・・・!と思わず1人で悶えることになると思います。
まとめ
子どものだけのものにしておくにはもったいないくらい美しい作品です。
大の大人が絵本を読むなんて・・・と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
そんな枠に当てはめて読まないのは損ですよ!!
感情を繊細に表現した絵は、子どもはもちろんですが大人が引き込まれると間違いありません。
また、ストーリーにも、
感情の動きが暗に表現されていたり、大人が読んで楽しめるような工夫もあります。
もし、この絵本を読んでみようかな、と思って本を手に取ってみた方は、
ぜひ後ろの裏表紙の内側を見てみてください。
正確にはカバーの折り返し部分なんですが、そこに著者の近影と短い紹介文が載っています。
見ていただきたいのは絵を担当されたアン・モーティマーさんの近影写真。
モデルにしたと思われる猫ちゃんとぬいぐるみのくまさんがいるんです。
紹介文を見てみると、猫を飼っているとの情報がありました。
やっぱり猫が好きだからこんなに可愛らしく美しい猫の絵が描けるんですね!
他の絵本でも絵を描かれているようなので、そちらもぜひ手に取ってみたいと思いました。
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