心あたたまる猫と竜のファンタジー第2弾『猫と竜2』
書籍情報
・タイトル:『『猫と竜2』』
・漫画:佐々木泉、原作:アマラ、キャラクター原案:大熊まい
・出版社名:宝島社(このマンガがすごい!comics)
・発行年:2018/07/07
・本のサイズ:B6判(横128×縦×厚さ14mm)
・分類:コミック
・総ページ数:190ページ
・定価:本体690円+税
概要
Web発小説のコミカライズ第2巻です。
第1巻は2018年2月3日発売でしたので、約5ヶ月後の続刊発売となります。
第6話から第10話までの収録。
前巻に引き続き、1話36ページ前後の分量です。
細かいラインナップは以下の通りです。
第6話、第7話は連続したお話で、白猫と少女のお話。
第8話は城下町で気ままに暮らす、人間観察が趣味のハイブチ猫のお話。
第9話は猫じゃらし畑を作り、守り育てる猫のお話。
第10話は猫竜が主役。王都の祭に招かれるお話。
1巻から引き続き登場する猫竜の「羽のおじちゃん」に加え、
新しく登場する森の猫たちによってやさしく心あたたまる物語が綴られます。
オススメポイント
この巻では、収録されているお話の中で特にオススメのお話に焦点を当てていきます。
今回は第9話の「猫じゃらしの夜」をオススメしたいと思います。
内容紹介もするので、ネタバレ嫌だよ!という方はまとめまで飛ばしていただければと思います。
猫じゃらし畑
ワードだけでなんだかほっこりしてしまうのは私だけでしょうか。
猫が猫じゃらし好きなのは言わずもがなですが、
この物語に登場する森の猫たちも猫じゃらしが大好きです。
しかし森の中の猫じゃらしは大変貴重・・・ということで奪い合いに発展することもあったそうな。
そこで一匹の猫、モシャモシャが試行錯誤の末、森に猫じゃらし畑を作ることに成功し、
その土地は猫じゃらしを育てられるものだけが継承できる特別な場所となったそうです。
そしてその土地の継承者は初代の名を継承し、代々モシャモシャと呼ばれます。
今回は4代目モシャモシャが、弟子を鍛えながら猫じゃらし畑を耕し、
立派に成長した猫じゃらしが生える畑で猫じゃらし祭をするまでのお話です。
この4代目モシャモシャは見た目もモシャモシャという名にふさわしくもふもふの見た目をしています。
ハチワレ猫ちゃんのような柄で、鼻周りから胸にかけて白い毛がふさふさしているのでまるで長老のヒゲのようで愛らしい。
そんな愛らしさとは裏腹に、性格は職人気質の親分肌。
口調も江戸っ子風で気っ風が良い。
弟子達をビシバシ鍛えつつ、時には微笑ましく見守りながら畑を作っていく姿はまるで人間を見ているようです。
若い弟子達がへばっている横でまだまだ元気が有り余っているモシャモシャは頼りになる親分そのもので格好良く、
人間の姿だったらねじりはちまきが似合って小麦色の肌に白い歯をむき出して笑うような、
下町にいそうなおじさまなんだろうなと思ってしまいました。
こんな親分の4代目モシャモシャも魅力的なんですが、このお話のポイントはラストの猫じゃらし祭のシーン。
森中の猫たちはこの日を待ちに待っています。
なんたって大好きな猫じゃらしを思う存分楽しめる日です。
そして「羽のおじちゃん」こと猫竜もこの日を楽しみにしている一匹です。
他の猫たちが猫じゃらしにじゃれて手でチョンチョンしたり、バシバシと叩いて猫じゃらしを堪能する中、
羽のおじちゃんは猫じゃらしをそっと撫でるのです。
しかもこの上なく幸せそうに微笑みながら。
羽のおじちゃんが猫じゃらしを愛でる姿に
見ているこちらもほっこりしてしまいます。
こんな姿を見ることができるなら自宅の庭を猫じゃらしで埋め尽くしたくなりますが、
4代目モシャモシャの畑作りを見るとなかなかの重労働のようなので
やめた方がよさそうです。
猫じゃらし祭で今回はお話が閉じられていますが、
今後、モシャモシャはこの弟子たちの中でどの子を後継者とするのか気になるところです。
まとめ
今回は第9話をオススメとして取り上げましたが、もちろん他のお話もオススメです。
第6話、7話は世話焼きの白猫と活発な少女は対照的なキャラクターが魅力的だし、今後の成長が気になるお話です。
羽のおじちゃんは全面には出てきませんが、1巻同様、ここでも心配性を発揮しており見ていて微笑ましく思えます。
第8話に登場する猫、ハイブチは最後の第10話にも登場します。
第10話は
羽のおじちゃん主役回!
なので私は大変推したかったのですが、
前巻でだいぶ羽のおじちゃん愛を垂れ流してしまったと反省したため、今回は自粛しました。
ですが、
羽のおじちゃん好きにはたまらない回となっているので、
お好きな方には大変オススメいたします。
イライラした表情からの、ほくっとした表情に思わず胸を打ち抜かれることでしょう。
人間は嫌いオーラ全開なのに、猫に言われると嫌なことでも渋々ながら引き受けてしまう姿に胸キュン必至です。
テレながら羞恥に耐える顔や、羽のおじちゃんを慕う猫のためにむりやり笑顔を作って耐えている姿など、
1巻では見ることができなかった表情が満載です。
次の巻ではどんな表情を見せてくれるのか、楽しみです。
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